今回の展覧会は、現代のブルガリアのグラフィックシーンで幅広い分野で活躍する様々な年代の作家8名の活動を紹介したものです。本展は回顧展的な性格を持ち、検閲と粗末なグラフィック設備という環境の中で、作家たちがイソップ物語的言語や単調なグラフィック表現手段に頼らざるを得なかった時代から、ブルガリアに市場経済と専門の広告業界が出現し、絶えず改良され続けてきた最新技術が導入されるに至った現代までの流れを、一望するものです。多様な作風とグラフィック観を持つ作家で構成された今回の展覧会を一つの共通項でくくろうとすれば、思考方法、インスピレーション、そして各作品の根底にあるアイデアの中に見出されると私は思います。世界でもトップクラスの権威あるギャラリーでの展覧会は、誠に望外の機会であり、ソフィア国際ステージポスタートリエンナーレにとって大きな贈り物になりました。 ボジダル・イコモノフ