50年に手がとどく私のデザイン歴の中で、手がけた雑誌は40種、2000冊近い数となる。建築・哲学・文化・伝統・民俗・教育・科学・アジア文化・政治・そして噂…など、その主題も広範囲に及んでいる。「表紙は顔」「意表の夢」「動き、うつろう」「カオスと秩序を往き来する」などをキーワードとし、数多くの編集者・執筆者・制作進行・印刷所を巻きこんで連夜におよぶ熱い作業をくりかえした私とスタッフの、雑誌デザインを展望する場となった。私の最初の作品展である。保存冊数が1～2冊という貴重な本が多いのでポスター大にプリントアウトし、さらに厚い雑誌の丸ごとを10倍近く拡大した立体本や、アニメーションを加えて、ダイナミックな空間展示を試みた。監修の臼田捷治氏やエプソンをはじめとする協力者の方々に、深い感謝を捧げたい。 杉浦康平