展覧会情報
第162回 松井桂三展
1999年11月01日(月)~11月26日(金)
「平面の立体化。立体の平面化。」という双方向のアイデアが、常に頭の片隅にある。一枚の薄い紙を折り曲げることにより、簡単に劇的な空間を有するものに変化することに興味を持ったのがはじまりだ。ある意味で物理、数学的な過程を経ることで、作品は客観性を帯び、感情の表現と対極にあるものになる。しかし、そこにはユーモアと知性が感じられ、さらに手の感触が加わることで、より魅力的なものになるのではないか。人間の眼の不正確さを媒介に、遊び心と実験で、平面・立体のイリュージョン(錯視)を表現した作品に驚きや不思議を感じてもらえればうれしい。 松井桂三