展覧会情報
第232回 Graphic Wave 2005 谷田一郎・東泉一郎・森本千絵
2005年09月02日(金)~09月29日(木)
やっていることもスタイルもバラバラな3人が、はじめて顔を合わせたのは、展覧会の7ケ月前だった。最初はお互いちょっと遠慮気味に、まず話したこと、それは過去の仕事を押し入れの奥から引っぱり出してくるのでなく、今、この場でしかできない、生きた展示をつくろう、ということだった。そして、3人の単なる同居でなく、何がなんでもコラボレーションしよう。そんな感じで緩々と始まった制作は、徐々に加速していき、記録的な猛暑の夏に突入していった。その間、素材は3人の間を行ったり来たり。ギャラリーを展示のための背景=環境として扱うのでなく「場」そのものを直に作っていこう。作品集もちょっとジャンプしてみよう。木彫り、ミニチュアギャラリー、ガムテープドローイング、ダンボール壁、映像。いわゆる「作品」然と額縁に入ったものはひとつもない。展示物と場の関係を逆転させる仕掛けとともに、3人の要素が入り乱れた空間となった。今、あいかわらずバラバラな3人のあいだには妙に幸福な連帯感が残っている。ぼくら3人にとって、この展覧会はまさに2005年のメインイベントだった。暑く暑く暑く、そして熱かった、夢のような、熱病のような、2005年の夏。 東泉一郎